FC2ブログ
shume exhibition//artist「shume」の作品世界
--/--/-- (--) スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スポンサー広告 |


2016/11/07 (Mon) 虚空の楕円

DSC_2227-640x360.jpg


病院の廊下のつるつるしたビニール張りのベンチで診察を待っていた。
「ミヤシタカズさーん」。
隣の外科の看護師さんが呼んでいる。
学生さんらしき人が、挨拶して診察室へ入いっていった。

薬をもらって病院を出たら、先ほどの男子が前を行く。
とっぷりと暮れた御陰通り。足早に遠ざかる広い背中をつい、ふらふら~と追いかけていた。闇に紛れてすぐにはぐれたけれど、幼さをとどめた精悍な面影がまぶたの裏に残った。
脇腹のヘルペスの痛みがなんだか遠のいた気がした。

しばらくして京大の十一月祭に友達と遊びに行った。
ラグビー同好会の模擬店を覗いたら、彼がいた。
「うそ~。」
信じられないことが、起こるんだ。
向こうももちろん驚いて、
「へえ~。ほんもののOLさんや。」と、関係ないことで感嘆された。
今と違って、ウブな学生さんにはナマOLは珍しかったのだ。

これをきっかけに恋、には落ちなかった。
そんなうまい具合にはいかないんである。
他校との試合後のパーティーに誘われたくらいで、それきり会うことはなかった。

でもユーミンの「NO SIDE」を、飽きるほど聞いた。
ラグビー観戦したりもした。むろんTVでやけど。
その頃、平尾誠二さんが同志社で活躍していた。カッコよかった。
会社の同僚が「叔母ちゃんが平尾さん家のお向かいやし、サイン貰ったげる」と、
あたしが描いた平尾さんのスケッチに直接サインをもらった。
これ、見やはったんや。ここ触らはったんやわ、とドキドキしながらなでなでした。
時がたってスケッチブックは、あっちの本棚、こっちの机、と
場所を変えて、それでも片付けの折なんかに開いてみては
稚(おさ)なかった自分をこそばゆく想いなぞっていた。

平尾さんが亡くなった。泣いた。
うそや。つい昨日やん。グラウンド走ってたんは。
おいてきぼりに、されたと、たくさんの人が
悲しんでいる。

なにひとつ褪せてはいない、
いまだ続くあおいときを
ともに過ごしていたはずやったやん。
楕円は虚空へと消えた。


合掌










未分類 | trackback(0) | comment(0) |


<<フレディきみに捧ぐ | TOP | せかいよ さヴぁ♪>>

comment











管理人のみ閲覧OK


trackback

trackback_url
http://shume81.blog24.fc2.com/tb.php/323-746bcc58

| TOP |

プロフィール

しめ

Author:しめ
沢 朱女 (さわ しゅめ)
京都生まれ 大津在住
96年より制作活動。
雑誌、広告、絵本等の仕事を経て
現在は水彩、アクリル、クレパス画等を制作。
chezshume(a)dream.com
※(a)を@にかえてメールアドレス欄に入力してください。

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。