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shume exhibition//artist「shume」の作品世界
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2013/10/21 (Mon) 人と、本と。

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人との出会いは、本との出会いでもある。

この本いいよとすすめられてすぐに読むこともあれば、頭の中に置いたまま数年越しに読むこともある。
無論、終には読まずじまいなこともあるけれど。

幼馴染のYちゃんからはサリンジャーのほかにもいろんな本を教えてもらった。
Yちゃんとあたしが永遠に魂を捧げた萩尾望都の「ポーの一族」。少女漫画史上最高峰(と、あたしたちは確信していた)の作品について、ランドセルをしょって、どれほど語り尽くしたことか。中学校の授業中も目は黒板をかすめながら、心は遥かイギリスの深い森の中でエドガーやアランと戯れる日々。作中のそこここに散りばめられる「マザーグースの歌」の本も読んでみた。そこはイギリス伝承文学がはぐくまれた揺り籠だった。世界中の子供が知っている「メリーさんの羊」も「ロンドン橋落ちた」も「誰が殺したクックロビン」も、やすらぎと同時に怖さが存在する世界であり、世界の成り立ちはそうなのだよと教えられた。
そしてアーシュラ・K・ル=グイン(「ゲド戦記」の作者)の、これもSFの古典である「闇の左手」。
「冬」という意味の名を持つ荒涼とした惑星ゲセンを舞台とした、地球人の男と両性具有の惑星人との「愛」の物語、とゆうてもよいだろうか。およそ甘さを切り捨てた文体と人物描写が、かえって切なさを帯びて胸に残った。
ル=グインが、後年たまたま読んだ「イシ」(-北米最後の野生インディアン-)の著者シオドーラ・クローバーの娘と知ったとき鳥肌がたったものだ。深遠な内容のSF作家がどのような環境で誕生したのかが、シオドーラが「イシ」へ寄せる深い共感と、感傷を排して事実だけをつづることに徹した文章に見てとれる。飢えと孤独に耐えかねて身を隠していた場所から文明社会へとやってきた、ヤヒ族虐殺後ただ一人の生き残りのイシ。主治医であり、固い友情でも結ばれたポープは言う。「(イシは)親切で、勇気があり、自制心も強い。そして彼はすべてを奪われたにも拘らず、その心にはうらみはなかった。彼の魂は子供のそれであり、彼の精神は哲学者のそれであった。」
ル=グインが「イシ」再版に寄せた序文、あまりに素晴らしいので全文載せたいとこをぐっとこらえて
 
 イシの足は「幅広で頑丈、足の指は真直ぐきれいで、縦および横のそり具合は
 完璧で」あった。注意深い歩き方は優美で、「一歩一歩は慎重に踏み出され・
 ・まるで地面の上をすべるように足が動く」のであった。この足取りは侵略者
 が長靴をはいた足で、どしんどしんと大またに歩くのとは違って、地球という
 共同体の一員として、他の人間や他の生物と心を通わせながら軽やかに進む歩
 き方だ。イシが今世紀の孤島の岸辺にたった一つ残した足跡は-もしそれに注
 目しようとしさえすれば-おごり高ぶって、勝手に作り出した孤独に悩む今日
 の人間に、自分はひとりぼっちではないのだと教えてくれることだろう。

手厚く保護されたものの、5年後に彼の命を奪ったのは白人からもたらされた死の贈り物、結核であった。
イシの最期の告別は、いつもどおり物静かに「あなたは居なさい。ぼくは行く。」
人に熱心にすすめたい本である。

イサムちゃんから必ずや読め!といわれたバロウズの「裸のランチ」。
ぜんぜん読みこなせなかった。松岡正剛さんの言葉をお借りしたら「バロウズの数ある作品のうちで『裸のランチ』を選んだのは、これがなんといっても超有名な代表作だからであって、この23のエピソードからできている作品を“解説”するつもりはない。この作品は筋もないし、イメージはハレーションをおこすばかりで、いったいどのように読んだか、正直いって、そのころのことがほとんど思い出せない。最初はトリスタン・ツァラを、ついでネルヴァル、バタイユ、ルーセルその他いろいろの唐突が去来し、ついでブリティッシュ・ロックやグラム系ロックのシーンがさかんに浮かんで、やたらに眩めいただけだった。」・・という感じなのである。ほんと、そう。バタイユといえば、20歳の頃知り合ったエキセントリックな美人B-やんにすすめられて読んだ。グロと残酷の領域に果敢に挑んだのだが、なぜに「眼球譚」・・。めまいと悪寒に襲われつつ、だけど、ま、読んどいてよかった。一度は読むべしか。いや、安寧を愛するなら読まんほうが・・?。バロウズにしろ、バタイユにしろ、まったき未知の世界に心を投げ出して味わう経験は、現実だけでは得られない、名のつけようもないが確実に「何か」を自分の中に残してくれる。世界がひろがるということだ。多分。
「裸のランチ」自体はちんぷんかんぷんやったけど、ひとつ腑に落ちたのは、若いあたしを気遣っていつも穏やかで優しかったイサムちゃんが、時折ふいにあの世の涯を見渡すような峻厳な表情を浮かべるのはなぜか、ということだった。その答えのひとつがあの本の中にあるんだろう。

20代後半、NTTのデザインスタジオで出会ったTAROさん(♀ね)を、同僚たちはみんな熱烈に慕っていた。もちろんあたしも。激烈に。
世界中のどこにもTAROさんに似た人がいない。しいて言えば、オンナでもありオトコでもありコドモでもありオトナでもある、ような感じ。本人はオバチャンかつ、オッサンってゆうてた。幼少時から思春期にかけての話、家族の話、本の話、下ネタ、なんでも話した。クラブ・メトロのゲイナイトに連れてってくれたのもTAROさんだった。あ、あと映画ね。ゲンズブールが撮ったバーキンの「ジュテーム・モア・ノン・プリュ」、パトリス・シェロー監督ジャン=ユーグ・アングラード主演の伝説の仏映画「傷ついた男」を、東寺のみなみ会館で観たのもTAROさんとだ。どちらも、全編たとえようのない哀しみに満ちていたのだけど、やるせない思いをどっさり抱えていたあたしは、かえって慰められた。
TAROさんに教えてもらった中の一冊がアゴタ・クリストフの「悪童日記」。
これも上記の本に連なるか。第二次大戦時下の過酷な状況のハンガリーで、鬼畜のような祖母に預けられた双子の兄弟が育っていく姿を描いているのだが、このアンファンテリブルを通して終始、「善悪」とはなんぞやといふ問いが喉元に突きつけられる。というか、むしろ己が己にむかって突きつけている、ような気がする。やがて醜さのなかに一筋の清明な輝きをみとめる。

すすめられてまだ読んでないのは、大原富枝の「婉という女」。
やはり松岡正剛さんの「千夜千冊」で、実に端的に、実に素晴らしい紹介があって、あたしなど人さまに本を語るなんざ千年早いよと思う。しゅん。
去年亡くなったR子さんに、いつか読んだら感想を言いたかった。ぐずぐずしていたら、逝ってしまわれた。かくのごとし人生は短い。

本をすすめるというのは「こんな世界もあるんだよ」「こんな見方があるんだよ」と、伝えることなんだろう。
真っ先に教えてくれたのは両親だった。勉強が大嫌いで、ある日「二度と勉強をしない」宣言をして、本当に学業を放棄したあたしに(学校は行ってた)、勉強しないなら、とにかく本を読め。とにかく読め、と。それを守った訳ではない。たまたま、成長していったなかで出会った人々が指し示してくれただけだ。これいいよって。行き詰まった時、倒れ伏している時、傍にいてすぐに手を差し伸べられない代わりに。そうして、多くの人にたすけられ守られ生きてきたんだろう。

最後に、真以ちゃん!!
レティシア書房さんの尽力で、ゲットしたよ!遂に!山田稔の「スカトロジア-糞尿譚-」。身震いするほどいいーーー。同じ極道?の血筋やから?多分、真以ちゃんとあたしとほぼ同じ感覚でこの本を愛してると思う。ゆっこちゃんもやろなーーー。
一緒に購入した「かしこいビル」。見つけて嬉々としてレジへ持ってったら、ちなっちゃんがあたしも好きやのにィ、って悔しがってた。うしし。









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かしこいビルいいなあ〜〜〜!!!
本にまつわる人がぞくぞくと朱女さんの人生に
登場しているのね。いいなあ〜〜〜
わたし、本好きな母親とは裏腹に子供の頃から活字嫌いだったためぜんぜんわからないけど、読書している人の顔が好きだからすごく憧れるなあ。朱女さんの引き出しはたくさんの本の記憶のかけらがちりばめられていて楽しいやろうねえ。

2013/10/22 20:44 | くぼち [ 編集 ]


ねーーーーーーっ!!!

かしこいビル、スキスキ大好きーーー!!!
何回も眺めてしまうわーーー
ごめんな 先にとっちゃって。。

下書きで調子よくふんふんふん♪って書いてて、アップしたらどひゃーー
めっちゃ長いブログで、ずびばぜん・・・(--;)
芋づる式に思い出すのなーーー

あたしは勉強せんかったから頭の隙間が多いだけでごじゃる(笑)

2013/10/23 17:03 | しめ [ 編集 ]


ぐはは~!

とうとう手に入れたんや~!!ええやろ?めっちゃ、ええやろ~~?次回帰国の際には、これをさかなに徹夜しよな~~!!

2013/11/15 00:21 | まいどすえ~ [ 編集 ]


ラッジャ~~!!!

まじで、むちゃくちゃよがったあああ!!!

スカトロジアで酒盛、のぞむところよおおおお(^^)

2013/11/18 10:33 | しめ [ 編集 ]


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プロフィール

しめ

Author:しめ
沢 朱女 (さわ しゅめ)
京都生まれ 大津在住
96年より制作活動。
雑誌、広告、絵本等の仕事を経て
現在は水彩、アクリル、クレパス画等を制作。
chezshume(a)dream.com
※(a)を@にかえてメールアドレス欄に入力してください。

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