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2013/08/26 (Mon) ノンちゃん雲に乗る

幼い日


目覚めたら雨
一日、本を読んでいた

石井桃子さんの「ノンちゃん雲にのる」
この前新聞記事でみかけて、小さいときの愛読書をもう一度
どうしても読みたいと、取り寄せたのだった
届いた本の装丁は昔のままで、水色の裏表紙に黄色く抜かれた円のなかに、
その頃流行ってたピースマークを描きいれてたことを思い出した

昭和のはじめ頃の東京の鄙(ひな)の町
八つになるノンちゃんが、家のそばの氷川様のお社の池に落ちて、
池の中の空に浮かぶ雲を操縦する不思議なおじいさんに出会って
自分や家族の話しを物語り、やがて家に帰っていく、というお話し

 トントン、トントン、トントントン・・・・・・
 お勝手で、おかあさんが、おみおつけのダイコンを切っている音がしました。

ここ、ここ、憶えている
家のそこかしこにただよう安らいだ朝の気配

 ノンちゃんの胸が、なんということもなく、うれしさでぷうとふくれました。
 まな板の上にもりあがる、水けをふくんだまっ白い、四かくい、細い棒の山を心に
 えがきながら、ノンちゃんはもう一度、目をつぶって、ぼうと、朝寝のあと味を
 たのしんでいました。

みずみずしく濃やかな情景の描写に胸躍らせて読みすすめるうちに、
悲しい場面じゃないのに、あれ?どうしてか目頭が熱くなってきた

おじいさんにうながされて、ノンちゃんは大好きなおとうさんやおかあさんのことを
語るのだけど、いつの間にかナンデだかにいちゃんの話になってしまう
あばれんぼうで、勉強は苦手で、それよりチャンバラやなんかに夢中で
拾ってきた仔犬を分身みたいに可愛がって(だってエスはにいちゃんと一緒に毎日
学校へ行く)、一つごとに没頭するとまわりが見えなくて、おかあさんを困らせたり
おとうさんにがつんと叱られたり
ノンちゃんもにいちゃんに振り回されているから、ついおじいさんに愚痴りたいんだ
けど、話せば話すほど、憎めないにいちゃんの姿がくっきりと浮かんできて、しまい
に笑い出してしまう

ノンちゃんの真っすぐな目を通して、生き生きと語られるにいちゃんの一挙手一投
足に、喝采のような気持ちが湧き出してきて、やがて、滑稽やらいじらしいやらで
胸を衝かれて、あとからあとから涙があふれてきて、困った

おじいさんは看破する
勉強がよく出来て聞き分けもよくて褒められるばかりのノンちゃんのそばで
にいちゃんは苦労してるんだよ、と

そして、限りない優しさをこめながらも、ノンちゃんに
人にはひれふす心がなければ、えらくはなれないと諭す
何でもできるいい子は、字はよく読めて、話もじょうずでも
知らぬまに人の心が読めなくなるのだよ、と


おじいさんの言葉は、

大人になったあたしにも、しん、と鋭く深く響いた









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プロフィール

しめ

Author:しめ
沢 朱女 (さわ しゅめ)
京都生まれ 大津在住
96年より制作活動。
雑誌、広告、絵本等の仕事を経て
現在は水彩、アクリル、クレパス画等を制作。
chezshume(a)dream.com
※(a)を@にかえてメールアドレス欄に入力してください。

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