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shume exhibition//artist「shume」の作品世界
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2013/01/27 (Sun) 真砂女の恋

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きょうは夜診が早く終わりそう、と
出掛けに本棚から鈴木真砂女の「お稲荷さんの路地」を
つかんで出勤。
帰りに「コメダ」で読む。

江戸前のきびきび、イキイキした真砂女さんの
語り口が、「景気づけ」にもってこいだ。
わが欲に、正直で、貪欲な人だ。

明治三十九年、安房鴨川の老舗の旅館に生まれる。
日本橋の大店の次男と恋愛結婚し女児一人もうけるも、夫の失踪で離婚。
郷里の旅館を手伝ううち姉が亡くなり、姉の夫の後添えとなる。
が、戦時下、年下の海軍将校との不倫がもとで二度目の離婚。
五十を過ぎて銀座の路地で小料理屋「卯波」を開店。
女将として働く傍ら、女流俳人としても稀有な才能を発揮して
俳壇最高の賞、蛇笏賞を受賞。

羅(うすもの)や人悲します恋をして

忍ぶ恋を、四十年。
五十歳で安アパートでの初めての一人暮らし。そこで一年だけ恋人と暮らす。
「この一年に生涯を賭けたようなものである。」と真砂女。
更に二十年後、帰らぬ人となった彼の葬儀にでることは無論叶わず。
その後も和服にきりりと帯を締めて笑顔で店をきりもりした。
享年九十六。

詳しくは知らない。
読んだのも、句誌に連載していた文章を集めた
この本一冊きりだ。けれど、幾度でも、つい読みたくなる。
それって、ぎゅっと中身が濃い、興味ひかれる内容、
つまり真砂女さんがそういう人だということだ。
だらん、としたとこがまるでない。

松茸でご飯を作り、鰆の西京漬の焼魚、いつものステーキは
今回はやめて、郷里から届いた海老を茹でてマヨネーズに、
あとは焼茄子、そして維新号のカニ、エビを交ぜたシューマイ。
あとは頂きものの人形町はまやの富貴豆、ビール小瓶一本。

八十を超えたある休日の、独り暮らしのお膳である。
この食欲。作る気力。驚嘆する。
作って、食べて、あと片づけまでちょうど三時間を費やすそうで、
さすがに、家での食事は月二回くらい、とある。
あとは近くの美味しい中華料理屋に行くとか。

今生(こんじょう)のいまが倖せ衣被(きぬかつぎ)

好きな映画をバスにさっと乗って、一人で観にいく。
ホテル西洋の地下のレストランで、一杯の生ビールを程よく飲んで
ステーキ、スパゲティで食事。
トイレで用をすませた途端くしゃみがでて入れ歯が水に
流された、治ってたいそう嬉しかった、等々。

ああ、あたしには万分の一もないけど、このほがらかな逞しさ
あやかりたい。
罪を飲みこんで、なお身を焦がす恋を
抱きしめて生ききったことも。

来てみれば花野の果ては海なりし

辞世の句。








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プロフィール

しめ

Author:しめ
沢 朱女 (さわ しゅめ)
京都生まれ 大津在住
96年より制作活動。
雑誌、広告、絵本等の仕事を経て
現在は水彩、アクリル、クレパス画等を制作。
chezshume(a)dream.com
※(a)を@にかえてメールアドレス欄に入力してください。

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