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2011/10/24 (Mon) ティモレオン

SENTIMENTAL JOURNEY


とても不思議なんだけど
目に見えない神の手の導き、とまでは言わないけれど
偶然が偶然を呼んで気がつくと、求めていたものを与えられていた、
ということがたまにある。

今回もそうだった。
新聞の書評欄で動物にまつわる本が2冊
やさしい言葉だけど、心を打つ文章で紹介されていて、
ああ読んでみたいな、と思ったのが発端。
評者の名前は、金原瑞人・翻訳家、とあった。

金原さんについて、
芥川賞作家の金原ひとみさんの父というくらいしか
知らないんだけど、たしか前にも同じ欄を読んで
気になるな、と思ったら彼の署名だったことを思い出した。
何人かの評者で書かれているので、
金原さんのチョイスが、特に私の心をくすぐるようだ。
それで、数年前に買った金原さん訳の「ティモレオン」をもう一度読んでみた。
書店の片隅で、初めて目にしたこの本に惹きつけられたのは

 本棚に「ティモレオン」を一冊
 所有することによって、
 私はたしかに世界を所有している。

と、帯に書かれた江國香織さんの言葉につられて。
買って帰ってすぐに読んだ。
ティモレオン・ヴィエッタという名の少女の瞳のように愛らしい目をした犬と、
初老の飼い主と「ボスニア人」を名乗る不審な男をめぐる
グロテスクな、残酷な、だけどもうつくしい不思議なはなし。
著者は英国若手作家の旗手、ダン・ローズ。

読み返して
ああ、ちょうど今の私にぴったりのはなし、だと思った。
数ヶ月前なら思わなかったろうし、
まず手にとらなかっただろう。
残酷な、と思っていた部分はどちらかというと
不条理が当たりまえの、思うようにならないこの世の理(ことわり)
をしめし、半端ではない悲惨さはいっそ爽快で胸がすく。

ひとごとではない。
主人公の老人コウクロフトは私そのものだ。
しなびた欲望にしがみつき、過去を呪い、
醜くて、滑稽で、ダメで、どうしようもない。
なのに、
それでも、
人生は生きるに値する、と、
この本は思わせてくれるのである。
善悪の彼岸のかなたで
鬱屈した、たまらなさを吹き飛ばしてくれるんである。












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プロフィール

しめ

Author:しめ
沢 朱女 (さわ しゅめ)
京都生まれ 大津在住
96年より制作活動。
雑誌、広告、絵本等の仕事を経て
現在は水彩、アクリル、クレパス画等を制作。
chezshume(a)dream.com
※(a)を@にかえてメールアドレス欄に入力してください。

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